土砂災害警戒区域
土砂災害が発生した場合に、住民の生命または身体に危害が生じるおそれがある区域です。
- 土砂災害防止法上の建築規制
- イエローゾーンであることだけを理由とする、直接的な建築物の構造規制はありません。
- 主な措置
- 危険の周知、警戒避難体制の整備、ハザードマップへの表示などが中心です。
- 実務上の注意
- 他法令・条例、融資や保険、売買時の説明、造成計画への影響は別途確認が必要です。
「イエローだから自由に開発できる」とは限りません。斜面そのものに別の区域指定が重なることがあります。
Point 01
Point 02
Point 03
イエロー=建築不可、レッド=絶対に建築不可、ではありません。 ただしレッドゾーンでは、計画用途によって許可・構造・開発区域の制限が重なり、初期計画からの見直しが必要になることがあります。
01
First decision
ハザードマップ上で色が付いている土地でも、規制内容は一律ではありません。土砂災害防止法上の区域区分だけでなく、都市計画法の開発許可、盛土規制法、建築基準法、急傾斜地法、砂防法、森林法、農地法などが同時に関係する場合があります。
特にレッドゾーンを含む土地では、建物を少し移動すればよいのか、開発区域から外す必要があるのか、対策工事を計画するのかによって、事業費もスケジュールも変わります。
土地購入後や設計確定後に判明すると、区画数の減少、建物配置の変更、擁壁・待受け壁等の追加、申請工程の増加につながりかねません。だからこそ、事業判断の早い段階で規制を重ねて確認することが大切です。
Yellow / Red
名称が似ていても、土地利用への影響は同じではありません。まずは土砂災害防止法上の位置づけを分けて理解します。
Three phenomena
区域指定は、急傾斜地の崩壊、土石流、地すべりの三つに分かれます。想定される土砂の動きや区域の広がり方が違うため、計画図との重ね合わせが欠かせません。
傾斜度30度以上の土地が崩壊する、いわゆる「がけ崩れ」です。斜面の上側・下側に区域が広がるため、建物だけでなく擁壁、道路、駐車場との位置関係も確認します。
山腹や渓流の土石等が水と一体となって流下する現象です。谷の出口から扇状に区域が広がることがあり、敷地の一部だけでなく進入路や放流先まで影響を受ける場合があります。
地下水等に起因して土地の一部がまとまって滑る現象です。対象範囲が広くなることがあり、敷地単体の擁壁だけでは整理できないため、区域全体の地形と指定内容を確認します。
Common misunderstandings
色の有無だけで判断すると、必要な協議や設計条件を見落とします。
土砂災害防止法上の直接的な建築構造規制がないことと、他の法令・条例まで問題がないことは同じではありません。
一律禁止ではありません。しかし用途や開発の内容により、特定開発行為の許可、構造規制、都市計画法上の制限が生じます。
公開マップは初期確認に有効ですが、契約・設計・申請では公示図書、地番、測量図、計画図を重ねた確認が必要です。
Red zone restrictions
同じ敷地でも、予定用途と工事内容によって必要な手続が変わります。各制度を別々に見るのではなく、申請順序まで整理します。
非自己居住用の住宅や、要配慮者が利用する社会福祉施設・学校・医療施設等を予定する一定の開発行為は、対策工事等が技術基準に適合することについて許可が必要になります。
福岡県では、申請前に県土整備事務所で区域確認を行い、該当が見込まれる場合は県庁砂防課との事前相談・個別協議へ進む運用です。レッドゾーン内の居室を有する建築物は、土石等による想定外力に対して安全な構造とする必要があります。外壁・防護壁等を含め、建築士による構造検討と建築確認が必要です。
区域内に建物を残すか、建物を区域外へ移すかで計画全体が大きく変わるため、配置確定前の検討が重要です。土砂災害特別警戒区域は「災害危険区域等」に位置づけられ、開発許可では原則として開発区域に含めないことが求められます。自己居住用等の例外や自治体ごとの条例・審査方針も確認します。
特定開発行為許可と都市計画法上の開発許可は別制度です。片方だけ確認して進めないよう注意が必要です。Applicability test
レッドゾーン内の工事がすべて特定開発行為になるわけではありません。区域、工事、予定建築物の用途を順番に確認します。
一般的には特定開発行為許可の検討対象になります。ただし、区域内外にまたがる計画や複合用途などは個別判断が必要です。
| 予定用途 | 特定開発行為 | 別に確認する主な事項 |
|---|---|---|
| 戸建分譲・共同住宅・賃貸住宅 | 原則、対象用途 | 開発許可、対策工事、建築物の構造規制 |
| 自己居住用の一戸建住宅 | 制限用途から除外 | 居室を有する建物の構造規制、開発許可、盛土等は別途確認 |
| 老人ホーム・障害福祉施設・保育所等 | 施設区分により対象 | 政令上の施設該当性、避難確保計画、福祉部局の立地要件 |
| 学校・病院・診療所等 | 施設区分により対象 | 政令上の施設該当性、構造規制、関係部局との協議 |
| 店舗・事務所・倉庫・工場 | 用途だけでは通常対象外 | 居室の有無による構造規制、都市計画法・条例・盛土等 |
| 駐車場・資材置場 | 建築目的かを確認 | 切土・盛土、擁壁、排水、盛土規制法、砂防・森林関係 |
※上表は一般的な整理です。「社会福祉施設・学校・医療施設」の具体的範囲や複合用途の扱いは、法令と個別計画に基づき所管窓口へ確認します。
Permission process
対策工事等の計画について許可を受け、工事完了後の検査と公告まで進めます。制限用途の建物は、原則として完了公告前に建築できません。
県土整備事務所等で区域と計画を確認
用途・造成・対策工事の方針を協議
申請書、設計説明、図面、計算資料を提出
許可内容に従い造成・防災工事を施工
技術基準への適合確認と検査済証の交付
公告後に制限用途の建築工程へ進行
開発区域の位置・区域・規模、特定予定建築物の用途と敷地位置、土砂災害を防止する対策工事、その他の造成工事の計画などを整理します。
建物用途・敷地位置・対策工事・造成工事を変更するときは、変更許可または届出の検討が必要です。施工中の現場判断だけで変更しない工程管理が重要です。
特定開発行為許可を受けても、都市計画法上の開発許可が不要になるわけではありません。双方の基準を満たす配置・造成計画に整えます。
県の案内では、まず管轄の県土整備事務所で区域確認を行い、該当が見込まれる場合は県庁砂防課との事前相談・個別協議へ進みます。
Building structure
住宅だけでなく、店舗、事務所、福祉施設などでも、継続的に使用する居室があれば構造規制の検討が必要です。建築基準法施行令第80条の3等に基づき、想定される土石等の力に対して安全な外壁や構造耐力上主要な部分、または門・塀等の防護措置を検討します。
防護壁や強化外壁を設ける案だけでなく、建物配置を変更してレッドゾーンとの重なりを避ける案も比較します。区画数、駐車台数、日影、接道、排水まで含めて判断します。
区域・手続・事前協議・申請工程は行政書士が整理し、構造計算や構造設計は建築士等が担当します。初期段階から情報を共有することで、許可図と建築確認図の不整合を防ぎます。
Before purchase
公開マップは入口です。実務では、指定の根拠となる公示図書と対象地の地番・測量図を確認し、計画図上で区域と建物・造成範囲の関係を整理します。
区域の線が敷地の端に少し掛かるだけでも、開発区域、建物配置、擁壁、進入路、排水計画への影響が出ることがあります。反対に、配置変更により負担を抑えられる可能性もあります。
After opening
土砂災害警戒区域内に立地し、市町村地域防災計画に名称・所在地が定められた要配慮者利用施設では、建築や開発とは別に避難体制の整備が必要です。
Planning flow
早い段階で「進められる計画」と「追加コストが大きい計画」を分け、無理のない申請ルートを組み立てます。
地番・公図・現況図・計画概要を確認します。
公示図書と計画図を照らし、重なり方を整理します。
開発・盛土・建築・砂防等の手続を洗い出します。
所管窓口へ計画を示し、申請方針を確認します。
関係技術者と調整し、必要図書を整えて申請します。
Our support
あさひな行政書士事務所は、開発許可・盛土許可・農地転用・道路や排水の協議を扱う行政書士事務所です。土砂災害区域だけを切り離さず、実際の土地利用計画に沿って関係手続を整理します。
区域指定と重複法令を確認し、計画上の大きな論点を早期に把握します。
計画概要・図面を基に、特定開発行為や開発許可の該当性を確認します。
許可申請に必要な説明資料・図面・関係書類を計画に合わせて整えます。
施主、不動産会社、設計者、測量士、施工者と申請順序を共有します。
建築物の構造計算・構造設計や土砂災害対策工事の詳細設計は、建築士・土木技術者等との連携が必要です。当事務所では行政手続と計画調整を中心に支援します。
Frequently asked questions
土砂災害防止法上、イエローゾーンであることだけを理由とする建築物の構造規制はありません。ただし、急傾斜地崩壊危険区域、砂防指定地、都市計画法、盛土規制法、自治体条例など別の規制が関係することがあるため、個別確認が必要です。
一律に建築禁止となる区域ではありません。ただし、居室を有する建物には構造規制があり、計画用途と開発内容によっては特定開発行為許可が必要です。都市計画法上の開発許可では、原則として開発区域に含めない基準も関係します。
土砂災害防止法上、自己の居住用住宅は「制限用途」から除かれています。ただし、レッドゾーン内の居室を有する建築物として構造規制を受ける点は別です。都市計画法上の開発許可、盛土規制法、自治体条例等も個別に確認します。
都市計画法上の開発行為に当たらなければ、土砂災害防止法の「特定開発行為」には通常該当しません。ただし、レッドゾーン内の居室を有する建築物の構造規制は別に適用されます。基礎工事や擁壁工事が盛土規制法等の対象になる可能性もあります。
建物・造成範囲・道路・排水施設との関係や、開発区域の設定が適切かを個別に検討する必要があります。単に申請図上で区域外とするだけでは足りず、土地利用の一体性や自治体の審査方針も確認します。
自動的には解除されません。対策工事後に、都道府県が安全性を確認し、区域の変更・解除に必要な手続が行われることになります。工事計画と区域指定の扱いを事前に所管部署へ確認する必要があります。
区域指定時にすでに存在する建物は、直ちに現行の構造基準へ適合させる義務が生じるとは限りません。ただし、安全性が確保されていない建物には移転等の勧告が行われる可能性があり、増築・改築時の取扱いや自治体の移転・改修補助も確認が必要です。
宅地建物取引業者が行う重要事項説明では、土砂災害警戒区域内であることや、特定開発行為の許可に関する事項が確認対象となります。公開GISだけで断定せず、最新の公示図書と所管窓口で確認することが重要です。
区域は基礎調査、地形や土地利用の変化、対策工事等により、新規指定・変更・解除されることがあります。福岡県でも新たな指定に向けた調査が進められているため、指定済み区域だけでなく調査対象箇所の公表状況も確認します。
所在地・地番と予定用途が分かれば、公開情報を使った初期確認から始められます。売買契約や設計を確定する前の段階でご相談いただく方が、計画変更の選択肢を残しやすくなります。
本ページは2026年9月3日時点の公表情報を基に作成しています。制度・区域指定・自治体運用は変更される場合があります。
所在地・地番、予定用途、現況図や計画図があれば、より具体的に整理できます。福岡県を中心に、佐賀県・熊本県の土地利用案件にも対応しています。

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