上段の基礎は、基準となる勾配線の下にある?
最初に、下段擁壁の「踵(かかと)」から、背面土質に応じた角度 θ の線を引きます。その線に対して、上段擁壁の「基礎前端」がどこにあるかを断面図で確認します。
上段の荷重が下段へ影響するものとして、上下を合わせて安全性を検討します。
ただし、次の「水平距離」と「根入れ」の条件も確認します。
Point 01
Point 02
Point 03
01 / まず、意味を知る
擁壁(ようへき)は、段差のある土地で土を支える壁のこと。上下の壁が近いと、上段からの重さが下段に影響するおそれがあります。
福岡市の基準では、この位置関係によって「二段擁壁」として扱い、一体の擁壁として設計する必要があるかを判断します。
02 / 判断の流れを知る
「基礎の位置」→「壁同士の距離」→「地中に埋める深さ」。
図面を見ながら、設計者と一緒に確認しましょう。
最初に、下段擁壁の「踵(かかと)」から、背面土質に応じた角度 θ の線を引きます。その線に対して、上段擁壁の「基礎前端」がどこにあるかを断面図で確認します。
上段の荷重が下段へ影響するものとして、上下を合わせて安全性を検討します。
ただし、次の「水平距離」と「根入れ」の条件も確認します。
01で別個の擁壁として扱える位置関係でも、上下の擁壁を近づけすぎることはできません。下段擁壁の背面から上段擁壁までの水平距離 L が、次の2つを同時に満たすか確認します。
L ≧ 0.4 × H かつ L ≧ 1.5 m
Hは上段擁壁の高さです。たとえばH=5mなら0.4×5=2mとなり、1.5mより大きい「2m以上」が必要です。H=3mなら0.4×3=1.2mですが、「1.5m以上」の条件が優先されます。
距離だけでは判断できません。01の勾配線との位置関係を確認したうえで検討します。
擁壁の基礎底版が地表に出ないよう、前面地盤より下に「根入れ深さ D」を確保します。これは壁同士の水平距離とは別の条件です。
岩・砂利・砂利混じり砂、真砂土・関東ローム・硬質粘土などの区分があります。現地の土質区分は設計者に確認してください。
根入れ深さの公式基準を見る ↗判断に使う数値
確認ポイント01で使う角度 θ は、擁壁の背面にある土質で異なります。
土質がわからないときは、推測で選ばず設計者に確認しましょう。
| 背面の土質 | 角度 θ |
|---|---|
| 軟岩(風化の著しいものを除く) | 60° |
| 風化の著しい岩 | 40° |
| 砂利・真砂土・関東ローム・硬質粘土など | 35° |
| 盛土・腐植土 | 25° |
設計で、あわせて確認
二段擁壁では、下段への荷重と上段の基礎の支持力の両方を確認します。根入れを深くする、地盤を改良するなど、条件に合う方法を設計者が検討します。
建物が擁壁に近い場合は、建物からの荷重への配慮も必要です。基礎や擁壁の構造を含めて確認します。
このページは基準を理解するためのガイドです。個別の敷地の安全性や許可の可否を判定するものではありません。
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